hot salt spring

塩の湯

神話に残る古の秘湯

鹿塩温泉について

古くから愛される名湯として知られる「鹿塩温泉」には、古事記にも登場する建御名方神が「鹿狩りをしている際に鹿が塩水を舐めているのを見て発見した」とか、平安時代の僧であり真言宗の祖である弘法大師が大鹿村を訪れた際に村人が塩に困窮していることを憂い、持っていた杖で地面を突いたところ、そこから塩水が湧出したといった開湯伝説が残されています。

当館の自家源泉は地底7000mの極深地から湧き上がり、その塩泉は少なくとも2万年以上前の塩水と考えられています。遙かなる時を越え、枯れることなく渾渾と湧き出る不思議な塩の泉。大いなる地球の営みより誕生する浪漫の泉、それが鹿塩温泉です

二万年前の地球とはどのような世界だったのでしょうか?海洋汚染や産業排出ガスなど、人間社会によってもたらせた汚染とは縁のない世界。その時代のけがれ無き源泉、まるでタイムスリップしたようなピュアで浪漫溢れる「鹿塩の湯」をどうぞご堪能ください。

「日本秘湯を守る会」加盟の湯

「日本秘湯を守る会」が誕生した昭和50年、団体旅行で賑わう時代の流れから取り残されそうになった山奥の温泉宿が様々な思いを抱えて集まりました。自然の恵みである温泉を守り自然に感謝することを忘れることなく今日までやって来れたのも、山奥の宿と山の中の温泉の良さを知り見守って下さった旅人があったからこそ。これからも限りある地下資源である温泉を守り、懐かしい日本の故郷であるために旅人に愛される秘湯の宿の集まりでありたいと願っております。

泉質と効能

世にも珍しい山から湧き出る「強食塩泉」

「含硫黄-ナトリウム塩化物強食塩泉」の鹿塩温泉は塩分が強く保温性に優れ、湯冷めしないさらりとした湯上りが特徴の泉質です。特に冷え性や乾燥肌の女性にはオススメの泉質となります。また、血液の循環を促進させ、免疫力を高める効能があります。温泉の濃さを表す蒸発残留物は「1ℓ当たり15~25g」と濃度が高く、一部の温泉学者から「奇跡の温泉」と称される源泉です。
長野県薬剤師会分析 鹿塩の湯一号 温泉成分分析書はこちらからご覧いただけます。

  • 泉質
    ナトリウムー塩化物強塩冷鉱泉(弱アルカリ性高張性冷鉱泉)
    殆ど無色透明で強食塩泉にて身体が温まります
  • 適応症
    神経痛・慢性皮膚病・糖尿病・きりきず・慢性婦人病・虚弱児童など
  • 含有量
    当温泉は蒸発残留物(いわゆる温泉の濃さ)が15,000~25,000mg/kgとかなり濃い温泉です。温泉めぐりをされるときに他温泉地の温泉成分分析表とお比べ下さい。

浴室施設

浴場は、「檜の湯」「天然石の湯」の二か所となります。これらを日替わりで男女入れ替えております。(夜中はお入り頂けません)露天風呂はございませんが、窓を大きくとってありますので山の景色・四季をお楽しみ頂けます。
※「檜の湯・天然石の湯」いづれも、温泉を薄めてしまう加水はございませんが、昇温の為の常時循環を行っております。

ご入浴時間:チェックイン~午前0時まで/翌朝6:00~9:30まで
日替わり、暖簾入替えを午前0時に行います。
ご宿泊なさいますと、「檜の湯・天然石の湯」どちらも日替わりでお楽しみ頂けます。

  • 薫る「檜の湯」

    檜があしらわれた浴槽です。心臓に負担をかけない「寝湯」がございます。寝湯付で窓からは山の四季を楽しめます。

  • 趣の「天然石の湯」

    大鹿村の天然石があしらわれた浴槽です。無循環・無加熱 源泉注入式の「源泉浴槽」がございます。

温泉から採れる天然の塩

鹿塩温泉の源泉(塩泉)を朝から夕方までじっくりと煮込むと、塩分だけがのこり、「塩」が精製されます。
源泉から精製される量は「僅か3%程度(1Lから30g)」とかなり少なく、地道な職人作業。その山塩は大量生産できないこと、そして歴史を踏まえて「幻の塩」とも呼ばれています。

温泉療養指導士がいる温泉宿

温泉療養指導士 在籍の宿:当館の女将は「第一期 温泉療養指導士養成講座」において優秀賞と「温泉療養指導士」の資格を得ました。簡素に数日で取得できる資格ではなく、泉質にあった入浴方法・温泉と軽い運動を組み合わせた健康増進・旅先の環境を利用した温泉と気候療養など、各方面の専門家による一年間の学習プログラムを経て得た資格を活かし、お客様へ「塩湯」の入浴法や、大鹿村での時間の過ごし方を、温泉の専門家としてのご案内を致します。

温泉療養指導士(当館女将)のひとこと

鹿塩温泉は、旧表記「強食塩泉」に分類される温泉です。現在の日本の温泉は、科学的な温泉表記に変わり、食塩泉に関しては塩分濃度がすごく濃くても薄くても同じ塩化物泉のひとくくりに収まり、特徴が伝わりにくくなりました。
当館のような塩分濃度の濃い塩泉は、からだの深部体温の上昇が早く温まりやすく保温効果も高いことから「熱の湯」と呼ばれることで知られています。実は、ヨーロッパでは強食塩泉の医療利用もありエビデンスのある泉質として知られています。また、刺激性の高い泉質と比べ作用がマイルドで、温泉療養の見地から心身をリラックスさせる副交感神経系が優位になる傾向があると言われている泉質ですから、束の間の一泊の旅でも休息の時間に嬉しい湯です。
ですが一番お伝えしたいことは、温泉に浸かるときはそんなカタイことは考えず、身も心もゆったりとお湯に浸り、旅の時間に浸り夜はゆっくりやすみリフレッシュ。そんな温泉の旅で、健康維持と笑顔が生まれたら最高です。是非大鹿村の自然と鹿塩の湯に会いにお出かけください。